年4回の季刊誌として発行している「さわらび会報誌」の11号目ができました。すでにさわらび会員の皆様をはじめ、町内の方には回覧板で回っていることと思いますが、お手元に届かなかった方のために少し紹介させてください。
今回発行されたのは秋号で、2019年10月~12月にあった出来事を紹介しています。
中でも、毎回理事が順番で担当している「さわらびコラム」は人気のコーナー。
今回の記事も大変勉強になる内容でしたので、以下掲載させていただきます。
役割 理事 林 昇司
やまさぁーべに行くようになって「さわらび」を知りました。わらびは知っていますが、さわらびは知りませんでした。水田の早苗に通じる、早く出来て、しかも優れているもののようです。大江町と近隣の町で使われている当地方の標準語として「かびだれ」があります。いかにも舟運の港に残ったことばと思います。最上川で舟が事故にあい積荷の米が水浸しになった際、現地で「川浸り米」として即売されたと聞いています。「米」がとれて、川浸り、そこから「かびだれ」となったようです。
私が気になる当地方の標準語に「ねまる」があります。雀が電線にねまっている…などと動詞として使われています。ねまるは最上川中流から下流域で広く用いられていますが、使われ方が違います。お寄りください、おあがりください、座布団にお座りくださいなどにも使われます。違いの中に同じ意味を持ち英語のStay(スティ)が見えてきます。土、水、風などの自然とそこに住む人々が醸し出した宝、これこそ文化だと思います。文化圏は以外とちいさい国有のもので、だからこそ貴重なものです。やまさぁーべを足場とし、さわらびのような価値を見出し、里山にねまり続ける意義を感じたい。現代は先人からの預かりものでもありますが、未来の人々からの預かりものでもあると思います。駅伝走者のように襷をつなぐ役割りを果たしたい。齢69歳、心拍数は150が限界ですが!
林さんは農家さんで、田んぼや畑のことなどやまさぁーべスタッフもいつもいろいろと相談に乗っていただいています。今時期は啓翁桜の花咲か爺さんをしているとのこと。ユーモアにとんだ素敵な方です。
ライター:野木