花と蝶と蛾

やまさぁーべの裏山。9月以降の体験プログラムの下見で沢沿いを歩いて見ました。今日は蒸し暑い日でしたが沢には冷たい風が吹き抜けていていました。


夏の花と秋の花が入り混じっています。足元には星形のような、ちょっと個性的な花が咲いています。初秋の花ヤマジノホトトギスです。こう見えてユリの仲間です。白い小さな花が房状に集まっているのはオトコエシ。秋の七草オミナエシが黄色い花で女、それに対してオトコエシは白い花で男です。これはどちらかというと夏の花でしょうか。



こちらは山菜として有名なウドの花です。が、そこに色々な虫が蜜を吸いにやってきていました。右側の昆虫はサカハチチョウ。翅を開くと漢数字の八をさかさまにしたような白い模様が目立ちます。そして右側の黄色いと黒をした昆虫は…


オトコエシにとまっていた別の個体をアップで撮影。なかなかキレイですね。でもこれ、蝶ではなくてキンモンガという蛾なんです。一般的な蛾のイメージと違って昼間に活動し、花の蜜を吸いに集まります。


そしてこちらもよく蝶と間違えられる蛾。イカリモンガと言います。拡大してみてみると頭の先っちょがとがって見えますが、こういう突起物がある生きものの名前には「イカリ」という言葉を冠することがよくあります。これも昼行性の蛾で、林の中をヒラヒラと飛ぶ姿は蝶のイメージにピッタリです。

そもそも、蝶と蛾の間には明確な区別はないのです。ちょっと専門的な話になりますが、蝶も蛾も「鱗翅目(りんしもく)=チョウ目」というグループに入る昆虫で、その鱗翅目の中でアゲハチョウ科、シジミチョウ科など6つの科に属するものを蝶と呼び、それ以外を蛾と呼んでいるにすぎません。蛾の方が蝶の何十倍も種類が多く、今回紹介したような綺麗な蛾もたくさんいますし、逆に地味~な蝶もたくさんいます。

蛇足ですがクジラとイルカ、ワシとタカなども明確な区別はありません。生きものの呼び方では、こういうことがよくあります。

ライター:佐々木