山の花とか実とか

やまさぁーべの裏山に入ってみました。今年はお客さんとは別の山を歩くことが多かったので、久しぶり。そこで見つけた花や実のお話。


エゴノキの実です。登山道にオーバーハングした枝の下に、すずなりについているので下を歩くととても目立ちます。この実をつぶしてペットボトルに少量の水と一緒に入れてシェイクすると…ブクブク泡立ちます、というネタをガイドウォークでよくやります。果肉にサポニンという成分が含まれていて、界面活性剤の働きを持っています。つまり、石鹸と同じ性質を持っているということですね。実際、汚れも少しは落ちるようです。


もう一つ実を。ヤブデマリの実、だと思います…。ごめんなさい、確実なことが言えなくて。この仲間はガマズミ属というグループに入る植物ですが、どれもよく似ていて識別に苦労します。赤い実は、薄暗い林の中でもよく目立ちます。


こちらは日当たりのよい山道の藪に生えていたキンミズヒキの花です。金色ではなく、黄色ですね。植物の名前では、黄色を金色としたり、白色を銀色と表現することがよくあります。美しい花に、より美しい名前を付けたかったのでしょうね。


こちらは、山形では有名な山菜、青みずの花です。これで花とは、地味ですね。ちょっとこの植物を題材に、植物の名前のうんちくを。

 

山菜として、山形辺りでは「青みず」や「赤みず」という植物を食用に利用します。この「青みず」「赤みず」は植物の正式な名前ではなく、山菜名(山菜図鑑に載っている名前)、または地方名と呼ばれるものです。生物学的に正式な名前(植物図鑑に載っている名前)のことを、標準和名と言いますが、青みずには「ヤマトキホコリ」、赤みずには「ウワバミソウ」という標準和名がついています。ちなみに標準和名はカタカナで表記するのが一般的です。

 

さらに、よく混同される事として、「学名」というものがあります。例えば、青みずに対するヤマトキホコリという呼び名。これを、学術的な場面で使われる名前というイメージから連想して「学名」だと覚えてしまっている人がいますが標準和名と学名は違うものです。青みず=ヤマトキホコリの学名はElatostema laetevirensと言います。学名は一般にラテン語で表記します。

 

さらにややこしいことに「アオミズ」という標準和名の、「青みず」とは全く別の植物も存在します。うーん。名前って難しいですね。