心配された昨日からの雨が奇跡的に止みました!よかった!東北芸術工科大学の新1年生の皆さんが授業の一環で体験プログラムに来てくれました。1年生総勢90名+先生方+先輩の学生さん。今日はそんなお話。
体験プログラムのテーマは「しごと」。
「しごと」をテーマにしたプログラム、というと職業体験のようなものをイメージしますが今回の趣旨は、大学生らしくもう少し深い所まで考えてみました。例えば「野菜を食べる」という行為を考えたとき、そこに関わっている仕事でパッと思いつくのは、農家、仲買人、八百屋、料理人といったところでしょうか。でも、その前後に、野菜を育てるための土を作っているミミズやダンゴムシ、土の材料となった落ち葉を作っている木々がいて、野菜を食べた後に出る私たちの排せつ物を下水処理場や浄化槽の中で分解している微生物がいる。そんな生きものたちも、見方を変えれば「しごと」をしているのではないか。ということで、今日は山村の食文化にまつわるしごとを考えてもらうために山菜摘み、ニワトリの屠殺・解体、そして調理の燃料となる薪を割る体験をしてもらいました。
写真左はニワトリの解体作業の様子。さっきまで生きていたニワトリが、見慣れたお肉に変わっていく様子は、頭では分かっていても実際に見ると考えさせられる体験です。学生さんたちは怖がったり気持ち悪がったりするわけではなく、生きものの命から何かを学び取ろうと、積極的に、真剣に作業を進めていました。そして写真右が薪割りの体験。今では薪で料理をするのはキャンプに行った時ぐらいになってしまいましたが、これも重要な燃料。最近はバイオマスエネルギーとして見直されています。薪割りって簡単そうに見えて、とてもコツのいる作業。難しさを体験してもらいました。合わせてチェーンソーの体験もしています。
写真左下はカンゾウという山菜のお浸しと、ヨモギのペースト。カンゾウの方は酢味噌で和えて頂きます。ペーストの方は、ニンニクなどもすりおろして混ぜてジェノベーゼ風に。これをお肉のソースとしました。
そして、割った薪を燃料に、鶏肉と山菜を鉄板で炒め、ふきのとうご飯のおかずにして食べました。
命を頂くから「いただきます」。よく言われることですが、こういう体験をするとそれが実感できるのではないかと思います。ニワトリはもちろんですが、山菜も、薪になる樹木も、全て生きもの。その命を頂いて私たちは生きています。彼らの「しごと」のおかげで私たちは生きています。
さて、新しく4年間の大学生活をスタートさせた皆さん、将来の仕事に向かって何をどう学び、どんな仕事に就いていくのでしょうか。今日の体験が何かの参考になれば幸いです。